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《2007-01-30 | 文学的雪かき 》
同僚がブログで絶賛してたので買ってきた。最初は『ウェブ進化論』の梅田さんの対談の本という認識だったのだが、買ってみるとその相手は平野啓一郎だったので少し驚いた。 平野くんは、前々から気になっている作家の一人。99年に23歳で芥川賞を受賞しており、これは当時、石原慎太郎や大江健三郎にならぶ最年少クラスの受賞者だった。2004年に綿谷りさと金原ひとみが登場するまで、一番若い芥川賞作家だったわけである。あげく京大卒でなかなかの男前ときたもんだ。どんな文章を描くのか気にはなっているのだが、なんか古典的なにおいのする作風のようなので、今の今まで作品を読んだことはない。まあ、今回にしたって対談の文章を読んだところで何もわからないんだがね。 とにかくこの本の中では、これから先のネットと人間との係わり合いを、あーでもないこーでもあない、と語っているわけだ。もちろん、とてもおもしろいものだった。んで、その中でも、気になった部分を2つ挙げてみる。 ひとつ目は「リンクされた脳」という考え方。これは、園子温の『自殺サークル』(前に紹介した『紀子の食卓』の前編にあたる作品)や、瀬名秀明の『BRAIN VALLEY』の中でも登場している概念のように思う。もちろんこれらの物語の中ではSFとかフィクションとして「リンクされた脳」が語られているのだが、今の世の中、ネットを媒体としているとはいえ、僕らの脳みそというのは、まったく知らない者同士でリンクされているような気がする。そしてこれからの世の中、ますます僕らの知識や情報やアイデアは繋がっていくのだろう。「リンクされた脳」という考え方に強い興味がわくし、とても重要な考え方のような気がしてきた。 ひたつ目は、ネットを見ている時間というのは単に情報を追っているだけで、考えるという時間が別途必要なのではないか、と平野くんが意見している部分。梅田さんはこの意見に賛同しかねているのだが、僕は平野くんの意見に強く共感した。単純に比較はできないと思うのだが、確かに自分が図書館に通いつめていろんな本を読みあさっていた頃の方が、頭を使っていろいろ考えていたような気がするのだ。まあ、時間的な余裕があっただけの話かもしれないけどね。その頃はニートだったし。 世界中の(といっても日本語を使う人達みんなの、と言った方が正確なのだが)知識や情報は比較的簡単に自分の脳みそにインプット(そしてアウトプット)できるようになっている。しかし、それらを咀嚼し、何度も反芻するようにしつこく考えなければいけないのだ。でも僕はネットで情報の仕入れ、その一部をこのブログに吐き出すことで満足してしまっている。もっともっと考えなければいけないことに気がついた。時間がない、なんて言い訳に過ぎない。時間を節約するためのネットなんだからね。もっともっと考えて、頭を使って動くようにしようと思う。 ◆MochioUmeda.com ◆My Life Between Silicon Valley and Japan ◆平野啓一郎 オフィシャルサイト
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